【女性が心配】タクシードライバーは危険なのか?強盗についての概要

タクシードライバーの仕事ってどうなんだろうって考えた時、女性が考える事に危険なのでは?。

タクシーの車内は密閉された空間であり、考えられるリスクは限られています。その中でも、最上位に位置するタクシー強盗について深く理解することで、他の潜在的な危険についても洞察を得ることができると考えここではタクシー強盗を中心に解説いたします。

タクシー強盗の特徴



  • 運転手が追いかけて暴行をうけるのが約半数、なので車外での出来事。
  • 7割以上が凶器なし。
  • 犯人は酒を飲んでいた。
  • 6時~22時の16時間内が11件、ほぼ割増運賃の22時~6時の8時間内が35件。つまり8割は深夜の出来事。
  • 被害額平均 8070円
    (参考、東京タクシー防犯協力会、2018)

上の情報はやや古いものの、タクシー強盗件数に大きな変化のない事と、タクシー業界の基本構造にも大きな変化がないことから、一定の信憑性があると考えられます。2017年東京都でおきた全46件のタクシー強盗に関する記述。



タクシー強盗を理解

強盗や犯罪について詳しく解説するとかなり長くなってしまい記事の趣旨からずれるので、ここでは女性タクシードライバーは危険なのかを理解する上で最低限のタクシー強盗の説明をします。

タクシー強盗のイメージ: 

タクシー強盗と聞くと、後部座席のお客さんが、凶器を使って「金を出せ」と言う犯罪を想像することが多いですが、このようなケースの方が少ないです。

実際のケース:

酔っ払っていてタクシー運転手とトラブルになり、運賃を支払わずに逃げようとしたがタクシー運転手が追いかけて来たので暴力を振るった、このようなケースが多くしかも強盗になり得ます。

タクシー料金600円払わず逃走、運転手が追いかけ確保 強盗容疑で神戸の会社員2人逮捕
 タクシーの運転手に暴行して料金を支払わずに降りたとして、兵庫県警生田署は26日、強盗容疑で、神戸市垂水区の会社員の男(29)と同市西区の会社員の男(30)を逮捕した。逮捕容疑は、26日午前0時10分ごろ、同市中央区中山手通1から約400メートル乗車したにもかかわらず、車内で男性運転手(62)の顔を殴るなどし、乗車料金600円を支払わずに逃走した疑い。
引用元:神戸新聞next,2023/11/26(日)

横浜でタクシー運転手殴りメガネ奪う 自称会社員逮捕
神奈川県警保土ケ谷署は16日、強盗傷害の疑いで、横浜市保土ケ谷区上星川1丁目、自称会社員の男(36)を逮捕した。
 逮捕容疑は同日午前1時20分ごろ、同区内の路上で、同市戸塚区のタクシー運転手の男性(36)を殴るなどして顔や左手にけがを負わせ、男性のメガネを奪った、としている。男は「覚えていない」と供述し、容疑を否認している。
 同容疑者がタクシーから降りる際、男性が乗車料金が不足していると指摘したところ、男に殴られるなどしたという。110番通報で駆け付けた署員が、付近を歩いていた男を取り押さえた。当時、酒に酔っていたという。
引用元:神奈川新聞 | 2023年4月16日(日) 



泥酔状態でも責任あり: 

泥酔状態であっても、故意と責任能力があれば、罪になる可能性があります。

「酔っていて覚えていない」と言っても車内カメラで映像音声撮れていますので強盗をしてれば罪になります。

故意と責任能力がないと思われる例。

泥酔状態でタクシー運転手にお金を払わずに逃げようとした客が、ふらふらで歩けずに倒れ込んで運転手を怪我させた場合、故意と責任能力がないと判断される可能性が高くなります。

タクシーに乗って目的地も言って口論になってたら泥酔いの言い訳はほぼ無理でしょう。

刑法第236条
第1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処す  る。
第2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とす る。



タクシー強盗を把握する資料

年度強盗認知件数検挙件数検挙率 (%)ドライバー数
H29949095.7281,570
H30948994.7273,126
R1908796.7261,671
R2797696.2240,494
R36167109.8221,849
R4716591.5(データなし)

参考:令和4年の 刑法犯に関する統計資料 令和5年8月 警 察 庁


データーについて

強盗認知件数・・・タクシー強盗にあったと警察に被害の届出をした件数。証拠が足りず警察が受理しなかったり、被害にあったタクシードライバーが面倒だからと警察に届けてないのは認知件数に含まれないので実際はもっと多い。

検挙件数  ・・・一般的に警察などの捜査機関が犯罪を起こした疑いのある人を特定し、警察などへ連れて行くこと

過去数年のデータをざっくりと見ると、タクシー強盗の件数は年間100件未満で推移しています。
ドライバー数で割合をみると、約1年間で3000人に1人強盗にあい、そのほとんどが検挙されると言う事です、そしてほとんどは酔っ払いが料金を払わすドライバーを殴ったのが多く、強盗殺人なんて事は数年に1回とかめったに起こらない為、ニュースにもなる状況です。
タクシー強盗の検挙率が100%こえてるについて

100%をこえる検挙率とは?

検挙率も9割を軽くこえています。あれ!令和3年が検挙率が100%こえてます、何かの間違えたかなと思い資料を見ても、この数字で間違えではなかったので原因を調べると過去の年度で起きたタクシー強盗事件が違う年度に解決されると、検挙率が100%を超える事もあるとの事です。また複数のタクシー強盗をした犯人が捕まると解決した事件の件数が検挙数に加算されます。



タクシーの防犯対策

非常ボタン


非常点滅灯、非常ボタン、EMスイッチ、と呼び名は色々ですが、非常ボタンがほとんどにタクシーに付いてます。

例えばタクシー内で強盗に合った時など犯人に気づかれる事なく、タクシーの空車とか表示してある電飾掲示板(業界用語でスーパーサイン)にSOSを表示させたり、タクシー車上部のタクシー会社名の書いてある表示灯(業界用語、あんどん)が赤く点滅したりします。

さらに非常ボタンを押すと、異常事態の連絡が会社に入るようになっています。

その後は各会社により多少対応は違う物の一般的には
・GPSで場所を確認
・お客さんが乗っているのか?会社から実車か空車かわかる。
・車内の音声を聞く。
・連絡がつながるか確認
・同じ会社の近くにいるドライバーを向かわせる。

またこの非常ボタンはタクシードライバーならほぼ全員知っている業界の共通認識です。
違うタクシー会社のタクシーが、非常ボタンを押した状態になっていれば、どこのタクシーでも車内の様子を見ます、非常ボタンを押してトラブルのように見えるならすぐ警察に連絡します。




車内カメラによる抑止効果

犯人に犯罪を思いとどませる抑止効果があります。

警視庁も様々な場所で防犯カメラ設置により犯罪件数が減ったと報告されタクシーに限らず犯罪が起きる可能性のある所では防犯カメラ設置を推奨しています。


GPS


タクシードライバーは危険なのではと心配する女性の考える事として、お客さんの目的地が人里離れた場所で、そこで犯罪が起きるのではと言う心配があるのではないでしょうか?。乗客が実は強盗だったらどうしようと言う心配です。

海外でなら話は別ですが日本でこのような事は極めて可能性は低く私も聞いた事もないです。

理由は現在ではタクシーにGPSがついていると言うのは一般的です。タクシー強盗をしようとする犯人も知っているでしょう。

乗った場所もルートもすべてが知られている状況でリスクをおかしてでも少ない金額を奪おうと考えるでしょうか?ちなみにタクシー強盗の被害額平均は8千円です。


仮に強盗が計画を練るとします。
山奥での強盗は、その場に留まることもできず、タクシーを奪って逃げる必要があると考えるでしょう、しかしGPSのついたタクシーは奪えないと計画の段階ですぐ気ずくはずです。



防犯仕切板

アクリル板が壁となり直接の危害などを防ぐ目的です、しかし危害を加えようとすれば出来るので設置してないより付いていた方がいいと言う程度です。

タクシーの防犯対策まとめ

これらの防犯対策は単独で見ても効果的ですが、一緒に機能することで相乗効果を発揮し、タクシーの安全性を大幅に向上させています。非常ボタン、車内カメラ、GPS、そして防犯仕切板の組み合わせは、タクシードライバーが直面するリスクを軽減し安全安心に仕事の出来る環境になっています。

私自身も10年間で非常ボタンを押す状況になった事は一度もありませんでしたが、非常ボタン、車内カメラ(音声もok)、GPS、仕切り板の存在は安心だったと感じでおります。